こんにちは、宮島です。
2015年1月1日の日本経済新聞朝刊。
「新しい働き方」「女性の働きやすい社会」の特集がされて以降、このテーマの大キャンペーンが展開されているのは、おおきなニーズがあり、力を入れて推進したい意思を感じます。
若者の起業、スキマ時間のみ仕事をする主婦、女性の子育てを応援する大企業など様々な取り組みの事例が毎日のように紹介されている中で、ウチの元メンバー、今年の2月に退職した岡本も「2地域居住で、Iターンを実現」という内容で登場しました!
実際のところ、「女性が働き易い世の中の実現」と言われ始めたのも大分前の話。日本はまだまだそんな世の中にはなり切れていません。一方、人事制度やシステムを導入している先進的な企業もいろいろ出て来ています。ボクには、多様な働き方が可能な世の中になるのが簡単ではない理由が3つあるように感じます。
- 多数の大企業は、50-70代の男性、オジサマやオジイサマたちが物事を決めていること。
- 長時間労働をいとわない人と、嫌う人が同じ職場で働いていること。
- 日本の企業の生産性、事業の収益力が、欧米に比べてとても低いこと。
ボクが働き始めた頃、大企業に就職してそこに人生をささげている人がほとんででした。女性は社内で25歳までに婿を探して退職し、家庭を守るもの、男は家庭の為に昼夜構わず働くのが当たり前。どんどん業績を上げ、若くして出世する先輩がカッコよく見えたものです。そんな常識でズーーとやってきて、染みついた常識を今の変化に合わせて変えることは、なかなか容易ではありません。だから、企業経営サイドの用意した働き易いシステムが、働く側にとって効果的なモノになり切れず、ワークしきれていない結果は少なくないのではないでしょうか。
20年前から、育児休暇や短時間勤務制度をいち早く導入し、「女性に優しい会社」と評判の資生堂。しかし、昨年から異変が。「脱優しさ」を模索し始めたそうです。「忙しい夕方に同僚に感謝の言葉もなく帰るなど、育児中の優遇が既得権益化し、そうでない人との摩擦が生まれた」 通常勤務の社員が負担を負うことが恒常化し、このままでは回らない、と悲鳴が上がった。慌てた人事部は、土日のシフト優遇など大幅に縮小し、そのことで退職する社員も多く出たそうですが、そういった改革を1年続けたことで、「育児中の人にはプロ意識が、他の社員には配慮や協力の心が増した」と良い方向へ向けっているのだそうです。なかなか簡単にはいかないものなのですね。
一橋大学教授であり、三菱重工他社外取締役のクリスティーナさん。1980年代に経済的に世界を席巻した日本の社会や企業の強さを分析した、「ジャパンアズナンバーワン」という著書をきっかけに日本に興味を持ち、1981年に来日。その後、20年以上停滞しつづけた日本企業を見てきた彼女の目に映る、今の日本人の働き方は・・・
- 日本人は「PDCA(計画 実行 評価 改善 )」と「ホウレンソウ」が大好き
重要なモノならわかるが、そうでないものまで、上司の安心の為に全部やる - 会議で使われるパワポ資料にビックリする
これだけ緻密な資料をいったい何人の人間がどれだけの時間をかけているのか?強弱をつけずにすべての仕事を念入りに取り組むのは日本人の弱点だ - すごい数のCCメールにビックリする
「その話、聞いてない!」と後で責められないための責任回避策か? - 社内稟議の判子
スタンプラリーかと思った
ボクタチの日常で、どこにでもありがちな風景の中に、効率を落とす習慣は確かに無数にある、と感じされられました。 また、日経の特集の中にこんなグラフが出ていました。
マルの大きさが、1時間あたりに稼ぎ出されるGDP。タテ軸がワークライフバランス、ヨコ軸が年間の労働時間。それによると日本は世界の中で、生産性は平均以下、労働時間は短時間の派遣社員が増加したことで以前よりも減少、余暇は欧米とは比べるまでもなく少ないという位置にいます。そんな社会の移り変わりがなかなか思うようにいかない今の日本だからこそ、ボクたちのようなベンチャー企業が、思い切ったわかりやすい働き方を確立できたとしたら? いい人を集められることが出来るチャンスと考えることにしています。