言葉が気になる vol.3(時事ネタ)

March 23, 2015

こんにちは、宮島です。日本も選挙権が20才から18才に引き下げられることが決まった、と報道されています。メディアによれば、世界の85%の国が18才で選挙権があるというスタンダードにようやく合わせられた、とのこと。
昨年末の衆議院選挙での投票率は52%と最低水準で、年代別では20代32%、更に5歳ごとの区切りで、20-24才は29%となっていて、成人を迎えても70%の若者は投票しないという世の中になっています。「意味」を見いだせなければ動かない、行動しないという風なのでしょうか。自分が何のために投票するのか?投票すると目に見えて何がどう変わるのか?自分の選挙区に応援したくなる候補者はいるのか?
公と私という感覚について家族、友人、町内などの地域、出身県、国などの公に対して、私という自分との関係は、出身県への愛着までだと実感があるのですが、一番大きな公である国家と自分の関係になると、いきなり別世界の現実味のない関わりに感じてしまう。このことが、投票することが日本の政治のあり方を決める行動である、という事につながらない理由なのかもしれないと感じています。

こんな空気の中、今使われている気になる言葉。

  • ~してもらってもいいですか?

これは若者だけではなく、大人も多くの人が使っている言葉ですが、「してもらえますか?」という依頼「いいですか?」という許可。この合わせ技がスタンダードになることで、「してもらえますか?」という言い方が、ダイレクトすぎて、きつく聞こえてしまう空気が漂っているような気がします。「いいですか?」ということは相手から、「だめです」と断られるか、「いいですよ」と承諾してもらえるか、それはあなたが決めてくださいということ。自分がしてほしい事を頼むのに、その責任の所在は相手にゆだねられることになります。(ボクも、ついこの言葉を使ってしまいます・・いつも言った後チョット気味が悪い。)

  • 泣ける動画、絶対に泣けるおすすめ映画10選などなど

「価値観の多様化はますます進んで・・」と言われているからこそ、多くの人が同じ価値観を共有したい願望なのでしょうか。泣ける=あなたは泣ける(泣くことができる)あなたはこれを見れば泣くことができます、ね、感動の涙を流してストレス発散してみませんか、という意味に聞こえます。主語はないです。誰が泣けると思って、誰に勧めているのかわかりません。私は「思わず涙してしまった」とか、女の子の「ううん、泣いてなんかないんだから。」などの涙と違うものでしょう。性的興奮を期待して官能小説を開き、興奮した、というのと同じかもしれません。なんかチョット気味が悪いなぁ、と思います。

  • 失われた20年

1980年代世界を席巻した日本が、90年代バブルが崩壊し、その後20年沈み続けたこと。メディアで繰り返し使われている表現です。これも主語がありません。

  • 失った対象:日本の経済システムと資産価値
  • 失った期間:20年
  • 失われたのなら誰がそれを奪ったのか:何者かが
  • 政治の失政によって、日銀の金融政策によって、大企業の経営判断の誤りの為、銀行の不良債権隠しをともに推進してきた金融行政が原因で、などの意味が含まれるのかもしれませんが、責任の所在が曖昧にされています。そういった人たちのせいで失われたのだから、国民は悪くない、奴らのせいで失われたのよ、と言われているように聞こえて大分気味が悪いです。
    本当に失ってしまったのは、権利ばかり主張するのではなく、自分が社会に対してどのような義務を負っているのか、何が出来るか、ではなく、しなければならないことのか?という自分の義務に対してのバランス感覚なのかもしれません。