2016.02.29 (Mon)

いろいろな土地の利用方法(投資)

こんにちは、宮島です。不動産に投資する、というとワンルームマンションとか、アパートマンション経営というのが一般的なのですが、どんな不動産でも投資対象になる、というお話を。
2006年頃リーマン・ショックの2年程前、ボクはJ-REITの運用会社で、オフィスビルや1棟の大きめのマンションを取得する仕入れの営業、という仕事をしていました。当時は、不動産価格が急上昇し、優良物件は利回りが3ー4%(価格は底値の2倍以上)になり、そこから更に取引が過熱してゆく、というマーケットでした。そのわずか3−4年前にはりそな銀行が国有化されたりしていた金融危機のまっただ中。その時には、利回り10%の価格でも買い手のつかない収益用不動産がゴロゴロしていたのに。。
ボクの会社は新興REITで、大手REITに資金調達能力や仕入れ価格競争についていけずに、わかりやすいオフィスや住宅を競って高く買うのではなく、何か別のタイプの不動産に対象を変えていこう、ということになりまして。様々な検討を行った結果、その対象を「時間貸し駐車場」としたのです。

つまり更地を買って、地面に機械をとりつけ、精算機をおいて駐車場を経営し、その収益率がオフィスや住宅に比べると非常に高い、と判断しました。当時は道路交通法が改正され、取り締まりの民間委託化され、緑服のおじさんからあっという間に違反切符をいただく時代、路上駐車がとてもやりずらくなりました。出先で車を止める駐車場を探すのも一苦労、というのは今では当たり前の話ですね。そこで、元駐車場運営会社で開発を担当していた方を講師に招き、レクチャーが始まります。

  • 駐車場1台の大きさは? 
  • この土地には何台の車室がとれるか?
  • この場所で経営したら1車室いくら売上が上がるか?
  • 機械のコスト、運営のコストはどうみるか?
この知識をタネににひたすら土地を探します。 見つけた候補の土地に車室設計を入れて、近隣の駐車場の稼働状況を、朝昼晩夜と調査しに行って、売上予想します。

土地価格も上昇基調でしたから、なかなか採算に会う土地は見つかりません。待てよ。駐車場なんだから、一般的に住むには良いとされている場所ではなく、一般的には住むのに悪いとされている土地はもちろん価格が安く、そういった物件の中で駐車場としてのニーズならあるという土地に絞って探そう、と考え方を変えました。「ディープで、ジャンクな土地を探せ!」と。狭小地、変形地、ラブホテル街や風俗街、オフィスビルの谷間、駅から遠いけど飲み屋が集積した地方都市の旧市街、駅から遠いけど流行りのラーメン屋の近く、などなど。不動産仲介の営業マンに対しての情報提供の依頼のし方も、「なんか変な物件ないですか?」となり、企画趣旨を説明すると、面白い!と言われて、難のあるケダモノ物件ばかりが集まってくるようになりました。そんな中でも特に印象に残っている案件がいくつかありました。
JR総武線「小岩」駅駅徒歩2分、ラブホテルの2件隣の150坪の土地はワンルームマンション建設計画があったものの、あまりの劣悪な環境に着工がためらわれて、土地のまま売りに出されました。その時は月極駐車場となっていて、1台2万円×20台=40万円で運営されていました。その土地を1億円で買ったのです。車室設計をやり直し、23台駐車可能の時間貸し駐車場を作り、1車室4万2千円/月売り上げる収益不動産に仕立てたのです。月4万2千円×23台=月96万6千円、年1160万円稼ぎだす土地に生まれ変わったのです。(年利回り11.6%)
この駐車場の売上が安定的に上がるのには根拠がありました。近くのラブホテルには昼入る客も、夜はいる客もいます。ラブホテルでしかるべき行為をする客には、後ろめたい事情のある人が少なくありません。したがって、ラブホテルの駐車場に自分の車を駐車した場合、もし万一にでもそれを奥方から雇われた探偵から写真に収められてしまった場合、動かぬ証拠となってしまいます。

(確かになんか止めにくい空気が漂う・・・)

ですから、少し離れた場所に車を止めようとする傾向があるのでした。人参をぶら下げられたオスは、少々駐車料金が高かったとしてもそんなことはどーでもよくなり、冷静な判断力が鈍る・・・そこに付け込んだ外道のビジネスかもしれない、という自責の念にかられることと、それは世の中の需要だ、と正当化する気持ちが行ったり来たりしながら、駐車場を経営したのでした。
もうひとつ。JR京浜東北線「北浦和」駅徒歩1分。駅前からちょっとだけ路地裏に入った商業地で容積率が400%、20坪で2400万円と破格の安値の土地をみつけました。これに飛びついたわけですが、不動産仲介曰く、この土地の5m下地中にはJRの貨物線のトンネルがあり、杭が打てないのでプレハブ小屋しか立ちませんけどいいですか?とのこと。いいですよー\(^o^)/。この駐車場は1車室月6万円売上があり、4車室で月24万円、年間288万円(利回り12%)の収益不動産になったのです。
商売や貿易の基本。ここではこの程度の価値ではあるが、別の視点、別の場所、別の人に対してそれを提供した場合、同じものが数倍の価値として評価されることに気づく目利き。これが、商いの意義であり、醍醐味であります。このことを痛切に気付かされて、バンバン駐車場を開発し続けたという貴重な体験をさせていただいた、あの頃でした。これからも、少し切り口を変えただけで、視点を違う角度から眺めただけで、商いにつながるチャンスが世の中にはまだまだあるのだと思います。

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