長寿社会(時事ネタ)

December 15, 2015

こんにちは、宮島です。 最近、ボクのPCにウィンドウズ10の広告が 「無償だよ!」 「すごくイイよ!」 「このキャンペーンを逃すと後悔するよ!」 と言うように、異常な頻度で出てくることが、うさん臭さ、怪しささえ感じられてしまい、 意地でもウィンドウズ10は入れない、と固く誓っております。

さて、とある中学生の少年が朝日新聞に投書をした記事が話題になっているそうです。 「席譲ったら『ふざけるな』とは...」 というタイトルの記事で、 その少年が下校中のバスで、バッグを背負った60代ぐらいの男性に席を譲ろうとしたところ、「ふざけるな」と怒鳴られた。 さらに、「近頃の子は学校のマニュアル通りにしか動けなくて悲しいね。本当は座りたいはずなのにヘコヘコ席をわたしてねえ。嫌々なことぐらい、これくらい年とったら分かるのっ! 」 といわれてしまった、というものでした。

これに対し、世間の反応は、

  • モンスター老人を敬う必要はない!
  • 優しい子どもの気持ちを踏みにじって、これで大人と言えますか?
  • 最近の高齢者っておかしいの多いよね、自分たち中心で世界が回ってると勘違いしてる。
など、とんでもない老人だ、 少年がかわいそうだ、というものがほとんどだったそうで。 これは、「お年寄りには席を譲りなさい。」という日本の道徳がもう、通用しなくなっているのかもしれないと思いました。

しかし、ボクがこれに似ている点があるなぁ、と思い出されたのが学生デモで話題のシールズのかわいい女の子です。 「お母さんが晩御飯をつくってくれる、という今ある幸せ、その平和を壊す戦争法案に反対!」 と大きな声で叫んでいた、という出来事でした。 平和を愛するから戦争に反対、平和を愛せない人が戦争をやりたがる、というマニュアルを鵜呑み丸飲みにした意見を公の場で述べている姿を見て、大学生にしてはなんと幼稚な発想なんだろう、と驚いたわけです。 ボク自身も、若い人に対して、モンスター老人のようなことを言っているのかもしれませんが・・・ でも、ハッと感じたポイントは、「老人が若いつもりになっていて、若者は幼児化している。」ということ。 これは、日本人は30年前から6歳、100年前からは40歳も伸びてしまい、平均寿命が今では約83歳にまでなってしまった、と言うことが原因なのかもしれません。

50歳のボクから見える景色。 40代50代の男性は、まもなく自分の肉体は初老に差し掛かっていくのに、気持ちは、まだ20代くらいのつもりでいますし、女性も美魔女なんていって、20代の女性と同じような服をきて、体系を維持し、ヒアルロン酸を注入しつつ「若さ」に投資をし、気持ち以外の肉体を若さを保つことに注力することがステキである、と言う風な人がどんどん増えています。 60代以上の男性も、肉体は60代であるのにもかかわらず、気持ちは30代40代であることから、見た目も、とても自分が幼少の頃の60代とは違ってとても若く、エネルギッシュに見えるわけです。 一方、若い世代はモンスター老人の言うように、「いい子」になろうという無意識からくる行動は、よく言えば純粋無垢であり、悪く言えば幼稚、でも今は自分が周りと強調する為に必要な能力なのかもしれません。

ボクが自分と若い世代の違いを感じるキーワードはコミュニケーション能力の意味です。 コミュニケーションとは、ボクの理解では意見の違う人がいる事を認めて、違う人と意見を戦わせて何とか共通項を見出し、うまくやっていく力なのですが、 若い世代のコミュニケーションの定義は、自分は「いい子」を装って戦いを避けて調和する事である、という事に大きなギャップを感じるわけです。 (ボクはコミュニケーション能力が欠けた人間、と自覚しておりますが・・・) これらはすべて、平均寿命が大きく伸びたことが原因ではないか、と思うわけです。 そうであれば、「お年寄りには席を譲りなさい。」という日本の道徳がもう、通用しなくなっていることを受け入れて、むしろ道徳の方を変えたほうがいい、と考えてみてはどうでしょうか。

具体的に言えば、 「定年を60歳から65歳に、などという生易しいモノではなく、85歳にする」 それによって、50歳の人は、「ああ、まだ35年も働くんだから、まだまだこれからだ!」となり、 医療の進歩からも、精神的な思い込みからも、思考は現実化しますので、より一層若くいられる。 技術と心、両面の相乗効果から平均寿命はさらに延びて100歳になる。すると本当に60代などまだまだ元気、若者に席をゆずられる必要などない、せいぜい90歳を超えたらみんな敬っていこう!という道徳になりますので、60代のモンスター老人などはありえない世界になるかもしれません。

一方、若者については、選挙権を20歳から18歳に下げた、などと言う制度変更はとんでもないことです。 逆に、現行の20歳から30歳に投票権、つまり大人として認められる基準を上げて、子供のまま、幼いままでいていいんだ、とします。 そのことによって、社会は、大人は、大学生に対しても 「まだまだ幼稚な考えでいいんだよ」 「大人になるまで10年以上あるんだから」 「戦争を反対する、結構だね。でも大人になるまでにはもっと世界を勉強しようね!」 という倫理道徳が働きます。 すると、逆に若者はいつの時代も、大人の決めた基準には反抗し、道徳なんて糞くらえと 言うモノでありますから、 今と同じように「安倍政権には反対!」であったとしてもその中身は・・・ 「解釈改憲でごまかさずに、憲法を改正し、自衛隊は国を守る軍隊だ、とちゃんと言ってくれ!」 などと、 子供のままでいいのよ、と言われれば言われるほど、より道理や世界の実情を見極めた正論を主張する大人になるんだ!という力が働くかもしれません。 「平均寿命が女性は86歳になり、今後さらに長寿になると、お金がかかって大変だ」 という今日の朝刊を見て、しょーもない妄想を巡らせる今日の朝のひと時でありました。