杉並区高井戸:Kさん
使い勝手と開放感を備えた見せる部屋づくり
東京23区をぐるりと一回りする主要道路「環状八号線」沿いにあるマンション。建物内は意外にも騒音が気にならないものの、日中、家で過ごす時間が多い家族よりは、昼間、仕事で家を空けることの多いカップルに向けて間取りをプランニング。
ひと月半ほどして現れた住み手は、共に大学の建築学科を卒業し、オフィス家具・什器を開発・販売する専門商社に勤めるKさんご夫妻。そこには空間の使い方や収納術など、こんな家族に住んでもらえたら……というUDATSUの思いを体現した、センスあふれる空間が広がっていました。
暮らしぶり、空間の使い方
ソファは置かない。その潔い決断が、開放感ある室内を実現
そ昭和49年築、畳2室の2DKを、無垢材のフローリング1LDKへと仕上げた居室。壁面には5×10の奥行きある収納棚と可動式の4段棚を作り付け、収納を2面に集中させる作り。さらにソファは置かず、ちゃぶ台を使う生活をしているため、圧迫感のない空間に仕上がっています。
「ソファを置くと狭くなるし、地べた生活はすべてに手が届いて便利。人が来た時も少し詰めれば座るスペースを確保できるし、距離が近くなることで親近感もわきます」(Kさん)
懸念材料だった騒音もほとんど気にならないため、ウッドデッキを敷き詰めたバルコニーではビール片手にまったり過ごしたり、読書を楽しむというKさんご夫妻。日常の中でほんのちょっぴり非日常を味わえる贅沢な空間。
どうしてこの物件に決めたのですか?
適度なリノベーションと、自分たち色に染められるシンプルな内装が決め手に
以前の住まいは中野。エリアも間取りも気に入ってはいたものの、水回りの古さが気になりだし、住み替えを考え始めたと言うKさんご夫妻。新築マンションも視野に入れつつ物件探しを開始。けれども実際に物件を見ると、良い意味で住む人の歴史が染みついた中古マンションに魅力があることを実感。その後リノベーション物件をいくつか訪ね歩き、半年ほどでこの物件に出合ったと言います。
「はじめは自由な発想で思い通りの暮らしが送れるオールリノベーションを考えていたんですが、物件を見ていくうちに会社勤めをしている自分たちがすべてリノベーションするのはキツイなと気づいたんです。そんな時、ベース部分はリノベーションしてあるこの物件に出合って……。作りがシンプルで自分たちのフィーリングにピッタリ合ったし、これなら理想に近い暮らしを送れるかもしれないと。それで購入を決意しました」。
UDATSUのリノベーションコンセプト“White Box ㎥”の最大の特徴は、住む人のこだわりを反映できるシンプルなプランニング。ベースにリノベーションがあったことで時間的にも資金的にも助かったと言う生の声は、ついデザインに目がむいてしまいがちな作り手にとって、ハッとさせられる内容でした。
間取りとは直接関係ないけれど、耐震補強のことで他の居住者と意見をすり合わせる必要があった……など、リノベーション物件を選ぶ際の注意点も話してくださったKさんご夫妻。ソフト面はもちろん、ハード面での貴重な話も聞かせていただき、本当にありがとうございました。