お金のはなし(投資)

November 24, 2014

こんにちは、宮島です。最近読みました。「投資家が考えるお金より大切なモノ」。その問題提起は、ボクたちのこれからの投資行動のあり方を見つめ直したくなる本でした。
著者である藤野英人さんは、外資系金融機関を経て、投信運用会社を創業しました。大手投資信託の運用指針とその限界は顧客を全く見ていないこと。マーケットの平均的な指数を下回らないことを目指すベンチマーク運用がスタンダード。ファンドマネジャーは、無名の成長企業なんかに投資して、失敗でもしようものなら出世に響くから、余計なことはしない、ザ・サラリーマンが運用しているのが現状です。そんな業界の内向きで無意味な常識とは関係なく、独自の運用指針で、無名でも真面目(真剣に顧客を向いて事業をする)で成長する企業(株式)に投資するファンドを運用するお金のプロです。

この本は、このように言っています。

  • 日本人はドケチの守銭奴であり、現金が大好き、ため込むばかりでリスクが大嫌い。欧米に比べて極端に寄付が少ないのは、国民性などではなく単なるケチであり、資産の約55%を現金で貯め込んで、投資することもなく抱え込んだままでいる。
  • お金とは身近なモノであるのにその本質は誰も教えてくれない。書店には「転職 で収入UP」「株やFXでお金を貯める法」など山ほどの金を手に入れる本が。でも、使い道について書いた本はない。
  • 世の中からバッシングを受けているブラック企業は、多数の消費者が大好きな企業である。モノやサービスを1円でも安いほうがいい、というデフレ下での私たちのニーズに応えようとして生産性を追求し、従業員を酷使し、多数の消費者がマスコミに煽られて、それをバッシングしているだけのことである。
  • 日本人は、貧しいひとは真面目に働いていて汚れていない。成功した企業や個人は悪いことをしたから財をなしたので汚れている、という固定観念ひどい!
  • 日本人はマジメという言葉の意味をわかっていない不真面目な民族である。真面目とは、真剣なさま、誠実な行動、正しい行動を貫くという意味なのにマジメ=ルールを守る、約束を守るという意味だと勘違いしている。

お金自体は紙であったり、金属であり価値はなく、数字でしかない。つまり、無色透明なモノであるからこそ、それを扱う人の人間性、性格、生き様が明確に表れます。お金をどのように使うか(投資するか)を真面目に考えること。それは、人生を、その人の生き方を表現することそのものであります。

徹底したプロ意識を持った人の言葉には説得力があります。漁師が魚の生態を知らずして漁に出たとしても、偶然の成功はあっても継続的な成功はありえない。同様にお金を扱う「投資家」として、プロとしてお金とは何ナノかをトコトン考え抜いたからこそ見えた本質、問題提起に共感いたしました。読んだ後には、とてもおいしいご馳走を食べた感じがしましたよ。

話は変わりますが、格差がすごく大きくなった今の社会は問題だ!と小泉元総理の改革を批判し、金持ちから税金をとって格差を小さくしろ!と報じられている日本。先日、クレディスイスが世界の富の格差についてのレポートをリリースしました。所得上位10%の人たちが国の総資産の何%を占めているか?日本は上位10%の人が約48%の資産を所有しているそうです。それに対して、ロシアは約85%、アメリカ約73%、インドネシア、フィリピン、タイなどのアジア諸国も70%以上を占めていますから、日本は国際的には格差がわりと小さい国と言えます。
今、アベノミクスは、物価を上昇させ、資産価値を上げて、現金の価値を落とすようにすること、つまり、インフレによる好循環をつくることで、以下の問題を解決しようとしています。

  • 20年以上続いた諸悪の根源「デフレ」を何とか脱却しないことにはどうしようもない。
  • 年収500万円で、毎年500万円の借金をして1000万円使い続けているのが今の日本の家計である。自己破産は出来ないので、借金を減らす方法を考えねば。

貯め込んだ55%(800兆円)もの死に金の現金が、日本の社会に、資産に投資がなされず、お金を世の中に流れてゆかず、若い世代も何にも投資しないことを続けたとしたら、格差がもっと大きくなってしまうのではないしょうか。
抱え込まれた現金をお持ちのみなさま。日本の不動産へ投資することでインフレへの変化に対応し、UDATSUと共に古い建物が再生されて長く使われる世の中に変えていきましょう!!(なんだか、最後は少々胡散臭い感じが・・・)