大工道具(リノベーション)

August 05, 2015

こんばんは現場担当の大久保です。今回は現場で大工さんが使うあの道具について紹介したいと思います。

物件情報にも早速アップしていますが、先日、東山の一室の解体工事を行いました。池尻大橋から徒歩五分、最上階の8階からは東京タワーや六本木ヒルズを見渡すことが出来るとても眺望が良い物件です。うーん眺めがいい!風も通ります。

そんな東山の物件の解体作業の風景ですが、前回のブログでもご紹介しました手前に移っている大工の棟梁平林さんが持っているもの何だと思いますか?もしくは後ろに写っている大工の高橋さんが持っているものも同じです。金槌?ハンマー?トンカチ?そう答えた方が多いのでは無いでしょうか。
正解は「玄翁(ゲンノウ)」です。もしかしたら聞きなれない言葉かもしれません。解体の時モノを壊したり、釘を打ったり、均したり、のみなど別の道具を打ったりと使い方は様々な大工の必需品言わば「大工道具」です。殆ど使い方が一緒のように見える金槌と玄翁、違いは何なのでしょうか?ウダツの道具部屋から引っ張り出してきた実物を見ながら説明したいと思います。

上の写真で左側は一般的な金槌、右側が玄翁です。玄翁の方を見てもらえると頭(金属)の左右どちらでも打つことが出来ます。一方、左側の金槌は片側のみでしか打つことが出来ません。これが玄翁と金槌の一番の違いです。
一般的に「玄翁」は建築の木大工が使用するものと言われ、昔はのみなどを打つために使用されていました。一方「金槌」は釘を打ことに特化して使用されていたそうですが、次第に用途が混用し、今では両面打てるのが玄翁、片側だけだと金槌となったそうです。そんな玄翁ですが、安いものはホームセンターで1000円程度で売られていますが、高いものでは頭の部分だけで5万円を超えるものもあるそうです。

上の写真は玄翁鍛冶屋の馬場政行さんという方が作った玄翁の写真です。HPで見た中で一番美しいと思う写真を選んだところ、玄翁の頭だけで56000円でした!ただし、それだけ手間隙も掛かっているそうで、原料は昔の木造住宅で使われていた古釘を溶かし原料としてつかっており、先端の銀色で輝いている部分は硬く、それ以外の部分は少し柔らかい鉄で出来ているため、衝撃を和らげるクッションになっているそうです。それだけ聞いても手間が掛かっていますが、手間が掛かっているのは頭の部分だけではありません。

柄の部分にも色々な種類があるそうで、写真は山桜の木だそうです。山桜は衝撃を吸収し打った時の衝撃を和らげながらも、力は伝えるのに一番適している木だそうです。山桜以外にも、槐(えんじゅ)、茱萸(ぐみ)、樫など用途に応じて柄の特性も変わってくるそうです。毎日何百回と叩くこともある大工さんを考えつくした商品ですね。うーんとうなるほど奥深い大工道具の世界。これからも少しずつブログで紹介したいと思います。