カスタマイズ(気になる事)

April 09, 2015

こんにちは。先週、恵比須の現場で1000本ノックならぬ、50ケースフローリング運びをした現場担当の大久保です。1ケース20キロなので、計1t、大体セイウチ1頭くらいの重さでした。すべてを部屋に運び込んだときは、フローリングの束が象に見えましたが、象は13tだそうです…今年購入した書籍で興味深かったものがありましたので、ご紹介致します。「カスタマイズ 特注をビジネスにする新戦略」

2012年にアメリカで発売された書籍で、日本では翻訳され去年の11月に発売されました。著者はアメリカの朝食で一般的に食されているシリアルバーを完全カスタム製造する世界発の会社「YouBar」を経営しているアンソニー・フリン氏と姉のエミリー・フリン氏です。「YouBar」は2006年の創業以来成長を続け、今では数億ドル単位の年商を上げる会社になっています。
この書籍では、これらからの時代はカスタマイズである!と言い切り、なぜこれからはカスタマイズなのか?ということを時代背景やカスタマイズを行っている企業の事例やデータ、また、自ら経営している「YouBar」が生まれた経緯や成長していった流れ、そして、もしあなたがカスタマイズ会社を始めるならこうすると良いよ!というところまで、多角的な視点から、とても分かりやすく書かれています。

なぜ時代はカスタマイズなのか?
19世紀は手作り(DIY)の時代でした。オリジナルのものを自分たちの手でつくっていましたが、非常に労力を要し、また流通は限られ、多くの品物は品質が一定ではありませんでした。20世紀に入ると大量生産の時代になり、大量のモノが低コストでどの地域にも流通され、工場で生産された品物の品質は統一され人々は満足を得ました。しかし、皆が同じもの買うことはオリジナリティーの喪失に繋がりました。
そして21世紀、これまでの大量生産の時代、みんなが同じものを見て、同じものを口にし、同じ車に乗っていた時代は終わりを告げ、21世紀に入ってからは、その振り子が戻るように。人々は自分だけのカスタマイズを好むようになりはじめています。 20世紀のカスタマイズといえば、超富裕層だけの特権でしたが、インターネット技術の向上と信頼性と発送システムの効率化によって、多くの人が、高品質なカスタマイズ商品を低価格で何処にいても手に入れられる時代がすぐそこまで来ています。
そのカスタマイズは自分の手で手作りをする伝統的な「DIY:ドゥー・イット・ユアーセルフ」というよりも、人とは違うオリジナルのものを創作する「CIY:クリエイト・イット・ユアーセルフ」である。それは、オリジナルのものを選ぶ楽しい部分だけを自分の手で行いたいというのが、これからのカスタムメイドの特徴であり、創作する楽しみを与えるシステムをつくることで、それがビジネスになると語られています。
また、カスタマイズの話で面白かったのが、国内の雇用を増やせるかもしれないという点でした。

大量生産の時代は大量の商品の製造を人件費の安い国外(発展途上国)に依頼し、国内に輸入します。これは価格を安くすることが可能ですが、国内の雇用は国外に移るため、国内の雇用が減ります。

一方カスタマイズの場合はネットで注文してから、カスタマイズされた内容にしたがって国内で製造を行い、国内に配送します。例えば、ロサンゼルスで注文された商品をアリゾナで製造し、ロサンゼルスに配送する。国内で製造した分人件費は高くなりますが、配送費用は安くなります。いくら人件費が安い国でも、例えばアフリカからアメリカに送る配送料を賄えるだけの人件費を下げられる地域は無いからです。こういう話を聞くと、カスタマイズいいね!と思ってしまいます。

上記は著書の中で書かれていたものですが、これは2012年に書かれた、「アメリカ」のことを語ったものです。すべてではありませんが今の日本にも多くのことがが当てはまるのではないかと思います。成熟社会を迎えた国々がもつ悩みの一つの解としてとても面白い書籍でした。
ウダツでも「カスタマイズ賃貸」という事業があります。「牛丼つゆだく」「麺かため」「野菜ましまし」あなたのカスタマイズはなんですか?