こんにちは、宮島です。杭打ち偽装事件が連日にわたって報道されています。 業界の構造的欠陥、非常識な行動がフォーカスされ、話題が当事者である企業から杭関連の他企業へ広がっています。最終的には「建物が傾いた原因」が何で、ユーザーへは誰が責任をとるのか、ということにつきるかと思います。 デベロッパーやゼネコンに対してどのように責任をとってもらうかというと、マンションは三井不動産から買ったのだから全体的には三井不動産に全責任をとってもらうけれど、実際建てた元請け施工会社の三井住友建設が不良個所の様々な対応には責任を負ってもらう。 以上、です。
更にその先の再委託先のどこであろうと、そこがミスや偽装をしようとも、三井住友建設に責任があります。 この工事の指示命令系統の総責任者であり、 工事請負金額は三井不動産との間で決まっているのだから、 元請けの手綱裁き次第で利益が増えたり、下手をすると赤字になったりします。 当然、何か問題があった場合、元受に全責任がありますし、 だからこそ、その下請けは元請けの言うとおりに仕事をします。 また、元請けの多くは、いつもけっこう威張っています。 親分は、仕事を持ってきてくれるし、何かあった時には子分のケツをふくのだから、 威張っていてもいいのです。
今回の事件は社会への影響がとても大きいので、原因究明という観点で下請けの末端までのやったことの詳細が報道されていますが、責任の所在について、本当はシンプルです。 報道を見ていると、杭をうつ役割だった旭化成建材と、データをごまかしたその下請けが根本原因だとされ、多めに批判されているように見えます。 ここ数日の展開を見ると、元請けと下請けの足のひっぱりあいが始まりました。 元請け施工会社の三井住友建設は、 「打ち合わせ通りやってると信じてたのに、裏切られた」 といい、 下請けの旭化成建材は 「設計ミスや、指定してきた杭の選択ミスがあったのでは」 「建物の現状調査を三井住友建設から拒否されている」 「そうであれば管理組合へ直接調査依頼をする」 といっています。
現時点で、多くの人が報道から理解している
「データの偽装があったから、杭が支持層へとどいてない。だから建物が傾いている」
というのは推察であり、まだ本当のことはわかっていません。 杭が支持層に届いていないことだけが原因なら、多くの場合1ー2年で建物が傾くそうですが、竣工後8年経過して傾いたということからも、本当に杭だけが原因かどうか三井住友建設は何かを隠しているのかもしれません。
誤解を恐れずにいうと、
(建築業界では全国的に、日常的にに杭データ偽装は行われる)
(ポイントになる重要な杭さえ支持層にとどかせておけば、建物は傾かない)
よって、今回もいつものように、届いていない杭は傾いている影響ではなく、他に原因があるはずだ。
それなのに責任者の三井グループはデータを偽装したということをいいことに、杭だけの責任にしようとしている。 と、本当は旭化成以下の下請けは本当は声を大にしていいたいことなのかもしれません。 もし、ボクがこの下請けの社員だったらどんな気持ちか。 もちろん、自分の過ちを認めた上でのことですが、
元請け施工会社のくせに、
いつも威張っているくせに、
問題が起こったら「裏切られた」?
しかも、杭以外の原因、可能性について調査希望を拒否する。
また、三井住友建設の下請けで日立ハイテクノロジーという会社が入っています。 不要な中間搾取をする下請けは、何かのしがらみがあってのこと、と推察出来ます。 この時代に未だ、高度成長時代の慣習でやっている業界であることも明らかになったわけです。 逆に考えると、こんなやり方が通用している古い業界だからこそ、 「改善の余地」「将来の伸びシロ」がすごく大きい業界であるのかもしれませんね。 ピンチはチャンス。 役所が規制を強化してがんじがらめにされることなく、人は悪いことやごまかしをするのだ、という前提にして、ユーザーから圧倒的に支持されるやり方を考えて、進歩してゆけるチャンスをボクはつかまえたいと思います。 (他人の不幸に乗じて、少々気は引けますが・・・・)