ウダツの由来(UDATSU)

July 20, 2015

こんにちは、宮島です。初めてお会いする方と名刺交換をする時、ウダツという社名についての反応について。無反応な方は除いて、こんな風です。

  • 1位 「ウダツって、あのウダツが上がらないのウダツですか?」
  • 2位 「どういう意味ですか?」
  • 3位 「社長の名前は宇田津さんではないのですね?」
  • 4位 「社長が徳島出身ですか?」
  • 2004年に勤めていた会社を辞めて、設立しました。ちょうどその頃日本は山一證券倒産~りそな銀行が国有化されたりしていた金融危機の真っただ中。銀行が大量に抱え込んだ不良債権である担保不動産を外資系投資銀行やファンドがハゲタカの様に安値で大量にさらっていたり、その対策からJ-REITが設立され、全く新しい不動産流動化手法が不動産マーケットで芽生えてきていて、なんか面白そうなので会社を設立したはいいモノの、ほったらかしてJ-REITの世界へ飛び込んでいったのでした。結果としてウダツはいくつか持っていた不動産の家賃を受け取るだけ、という開店休業状態に。
    UDATSUが本格的に稼働したのは、ボクがリーマンショック後2011年に勤めていた不動産ファンド会社を退職してからのことなのです。当初、会社名は株式会社卯建建設(うだつけんせつ)にしました。建築業、主に住宅の内装工事を請負う仕事をやりたかったのです。由来は・・・まったくの思いつきです。

    会社って、会社そのものはハコでしかない。そこにはまず、創業者の理念(こういうことをやりたい!)っていうのがあって、経営者がメンバーと共に理念や目標を具現化すること。支払われる給料でメンバーが生活をすること。もろもろの経費支払った後でも利益が上がり、そこから納税をして社会の役に立つこと。そして、サービスを受けた顧客が喜んでくれていること。こんなことに価値があると思います。
    それじゃあ、どんな事業をやろうか?不動産の商品やサービスで、すでにあるもので、他がやってもウチがやっても同じ案件を、「儲かるからやる」というのはやめておこう。今マーケットにこういうものはない、でも欲しい人が少ないながらもいる、というものだけをやろう。卯建建設の理念は「あったらいいな、を提供する」つまり、他者と同じことはやらない。

    当時、設立された若手起業家が自分の会社の名前にはそれなりのストーリーが。特に設立される不動産会社のほとんどすべてには、英語がその名称に使われていました。
    「そうであれば、英語はない。」「日本語だ。」「なんか商売やってて顧客もウチも上向きなる日本語ってないかな?」「右肩上工務店?」「おかしいでしょ。」「他にないかな?上がっていく日本語」「ウチの旦那ったら、ウダツが上がらなくて・・・」「ウダツが上がらない、ってことは上がることもあるのだろう。」「そもそも、ウダツって何だろう?」
    調べました。江戸の住宅が長屋主流の時代に、隣家との境界に設けた土造りの防火壁がウダツと呼ばれ、その建造費は相当な費用を要したため「うだつが上がっている」ということが、その家の富や成功のステイタスだったのです。 もともとウダツは上がっていることが、羨望のまなざしで見られていた壁を現す言葉なのに、いつのまにか、それを上げることが出来ないネガティブなイメージだけが今に残るかわいそうな言葉。「よしっ、これを取り上げて、江戸の良き時代のポジディブワードを目指そう!」と、ある晩の酒の力を借りた勢いの思い付きであったのです。ウダツの漢字は?「卯建」では卯建建設で!となりました。

    そうと決まれば、まず、ウダツの街並みが今も残る、徳島にも、岐阜の美濃にも本物のウダツが上がっているのを見に行きました。ここまでウダツに敬意を評して、「さあ、始めましょう!」ところが、いざ始めてみると、金融機関やセールスの電話、その他いろいろな外部からの問い合わせが、「あのー、ウケン 建設さんですか?」とか、「もしもし、タマゴ建設さんでいらっしゃいますか?」など、まともに読んでもらえない・・・それにしても、卯をタマゴって読む?それじゃあ、会社のマークもこんな風にしなければいけないじゃないかー!

    タマゴ建設と言われて大きなショックを受けて立ち直れずに、ついに社名を変更することに。それで、社名を誰でも読めるカタカナの「ウダツ」に変えたんだとさ。おしまい。