ワーケーション施設オープンして半年、売上、稼働率とか。

May 14, 2021

こんにちは、UDATSU社長の宮島です。


当社は、主力のリノベ済みマンション販売とは別に、昨年の12月に一軒家まるごと貸し切りの宿泊施設を千葉県南房総市でオープンさせました。
施設は「セカンドプレイス岩井海岸」、 コンセプトは「もうひとつの日常」。
今回は、この土地建物に対しての投資金額や、緊急事態宣言下でオープンしてから約6か月の売上、稼働状況など投資家、オーナーサイドのお話です。


この事業は当社にとって、自社保有の保養所を貸別荘にしたら有効活用できるかも?というだけのものではありません。房総半島内房エリアの「すぐ行ける田舎」という魅力と、「土地の価格の安さ」のギャップをアービトラージすることと、「セカンドハウスでもある収益不動産」は成立する、という仮説を検証することに意味があります。

 

令和2年4月16日、発せられた緊急事態宣言から、大手企業を中心にはじまった在宅ワークは1年を過ぎ、わたしたちの暮らしと仕事の境界が溶けてなくなってしまいました。

自分の家で毎日生活して、その同じ場所で仕事もしつづけている住環境。

円満な家族だって、いくらなんでも四六時中同じ居場所で顔を合わせてたら、そりゃ、たまにはスイッチを切り替えて気分を変えてみたくもなります。サクッと移動できる別の場所でたまにはすごしてみたい、といったワーケーション的な東京人の需要が一定のボリュームであるのならば、貸別荘へ収益不動産として投資し、未稼働時には自己使用できる一戸建て「セカンドプレイス」を新しい商品ラインに加えたいと考えています。
ピークの夏、週末で稼ぐリゾート・レジャー目的ではなく、ワーケーション目的にすることで、季節や暦に影響されにくい運営を目標にしています。 
今回は、物件を新築してから、オープンするまでの投資金額と、オープン後6カ月の売上についてお話します。


【投資ト-タルコスト】
土地:160坪で950万円(坪@6万円) 諸費用含む
建物:32坪で2400万円(坪@75万円) 設計料含む
外構、砕石、植栽、物置他:350万円
家具、家電、備品など130万円
合計:3830万円

 

【宿泊料金】
ワーケーション需要の獲得が目的なので、平日を割安にして連泊の割引を設定しました。

冬料金(12-2月)
平日2万円+清掃費用5千円 休日4万円+清掃費用5千円
春料金(3-6月)
平日3万円+清掃費用5千円 休日6万円+清掃費用5千円

2泊で10%off、3泊で20%off、4泊目以降は30%off(清掃費定額)

昨年の11月25日からAirBnBで募集を開始させ、12月1日からオープン。清掃スタッフの募集から採用、その後の運営はすべて自社で行います。


【経費】
清掃費:
地元で清掃スタッフを採用し、こうやって掃除してください!と一緒にトレーニングします。連泊でも1泊でも5千円の清掃費をいただき、1棟全体を4-5時間の賃金を清掃スタッフへパススルーで支払います。

水光熱費:
海沿いで冬は冷え込むので、ガスストーブを設置したことから滞在中はほぼフル稼働。割高なプロパンガス料金が占める割合高し。

ごみ処理費:
施設内の外部ダストボックスを週1-2回処理業者により収集を委託しています。

クリーニング費用:
フェイスタオル・バスタオル1枚(1名1泊)×人数×宿泊日数を施設内で洗って乾かします。シーツや枕カバーは専門業者へ回収と納品を委託しています。

 

【売上・稼働率実績】

※R3/5/10時点

1-2月はオフシーズンでかつ緊急事態宣言下で、キャンセルがいくつか出たことから売上は伸びず、新規採用した清掃スタッフのトレーニングのため経費がかさみました。

また、日本へ入国帰国する際の14日間の自主隔離待機の16泊の予約リクエストが3件ありました。

経営上は一気に稼働が跳ね上がるよい話だったのですが、この田舎町では、たいていのお年寄りがコロナ感染を非常に恐れている空気の中、外国人が長期で施設に滞在し、近所を散歩したり、買い物に行ったりする姿を見る近隣の眼。田舎特有のよその人間が入ってきた時の、異物に眼が釘付けで耳はダンボ、みたいな傾向があり、ただでさえ周りから、「あそこ、なんかやってるぞ?」と注目を集めている当施設。外国人が14日間滞在することに対しての警戒心から泣く泣くお断り。。大分低い稼働率となってしまいました。

3月は平日に多数の連泊が入り55%稼働、平日のワーケーション、ビジネスmtg、社内合宿のような目的の宿泊が目立ちました。

4月の予約はGWの連泊と休日を中心に入り、稼働が低い割に売り上げが伸びました。ファミリーを中心に、2家族で一緒に過ごすなどの目的が多かったです。

5月以降は今の予約の入り方から、3-4月よりは売り上げが少し下がりそうな予感がしています。

今後は6月で落ち込み、7-9月で年間で一番おおきな山が来て、冬に向けて下がってゆくはずですが、ワーケーション需要の平日を稼働させてどこまで平均的な動きとは違ったカーブを形作ってゆくのか今からが楽しみです。

本年度の年間予測は、年間売上約450万円、稼働率40%程度が見込まれ、総投資額に対して11.7%です。固定資産税、もろもろの経費を差し引いたネット収入ベースでも7%以上(支払利息なし、減価償却前、税引き前)の利回りになります。
しかも、稼働率は上振れしても50%未満、普通の収益不動産や宿泊施設であれば、いかにして稼働をあげるか?が課題になるのですが、自社所有、自社運営のこの建物、わたしたちにとってはオフィス以外のもうひとつの日常の仕事場であり、週末に遊ぶ場、セカンドハウスでもあるので、未稼働時に自分たちで使用して楽しんだり、気分を変えるのに役立ったりします。更に、もっと自分で使いたければ宿泊費用を高く設定して稼働率が落ちるようにコントロールすることだってできます。

なかなか悪くはない投資だと思いませんか?


現在、内房エリア2棟目を施工中です。館山市の海からは少し離れた森の中みたいな環境で、新築でなく古民家をリノベーションする企画で、 8月の完成、9月オープン目指して現在鋭意準備中。
森の中でのワーケッション施設、完成をどうぞお楽しみに!